PLAY BY EAR 音楽教室 (JAPAN) | 所在地: 東京都品川区東品川 | 全年令対象のポピュラーピアノ/ジャズピアノインプロバイゼーションレッスン | P.B.E.S™(コンテンポラリー音楽即興演奏及び聞き取り能力学習シラバス)| EMAIL: INFO@PLAY-BY-EAR.JP | TEL: 03-4579-0240 | 営業時間:月曜日-日曜日 10AM-10PM (予約制)
表現の手段である音楽と言語はよく似ています。即興演奏のプロセスを言語と比べながら考えてみましょう。言語の学習には、読む、書く、聞く、話す、が必要ですが、簡単なコミュニケーションをとるためにはまずは話す、聞く、ではないでしょうか。話せば自分の言葉を通して聞く訓練にもなります。この話す、聞く、で重要なのは即興性です。友人との会話では、自分の言葉は即興的に作られ、目の前に予め文章を書いて用意するのではありません。音楽でも同様に、楽譜で用意された音がだけでは決められた表現しかできないことになります。音楽で「話す聞く」を柔軟に行なうためには、即興演奏が必要な事がわかります。即興演奏では自分自身の演奏する音を注意深く吟味しながら聞き、そこで得たアイデアを演奏にフィードバックしていきます。これが「耳で演奏する」ということです。具体的な即興演奏のプロセスを、言語の「話す」プロセスと比較しながら考えてみましょう。次の文章をみてください。
文例 : 「晴れて気持ちのよい天気であったある日の午後、私は自分の傘を持って近所の市場へ捕れたての鮭を買いに歩いて行きました。」
一見しただけでは分かりにくい文章ですね。この内容をあなた自身が話すならどう表現するか考えてみて下さい。自分の使い慣れた言葉で言い換えるでしょうし、その言い換えるための思考プロセスがあったはずです。具体的には、出来るだけ単純な文形に直す必要があったのではないでしょうか。例えばこんな感じです。
文例 : 「私は市場へ魚を買いに行った。」(簡素化)
この簡素化された形が重要なのです。別の例を考えてみましょう。幼稚園にいた頃を思い浮かべて下さい。先生からどんな風に言葉を教わったでしょうか。難しい言葉を覚える前に、まず一番簡単な形を教わったのではないでしょうか。複雑な形では応用しにくいからです。音楽も同じです。即興で演奏したり学んだりする場合、曲を最も単純にした形から行う必要があります。それが楽譜として存在し、フェイクシートと呼ばれています。曲を完全にコピーした楽譜とは異なり、即興演奏に必要最低限の内容だけが書かれ、素早く読み取ることができます。